「婚前契約書(結婚契約書)」~”愛”だけでは結婚できない。話し合うことの大切さ~
公開日 2022年10月30日 最終更新日 2022年10月30日

今回は、「結婚前にお二人で話し合うことの大切さ」について見ていきたいと思います。
(1)”愛”だけでは結婚できない!?
ずっと一緒にいたい。
ふたりで生活していきたい。
この人に一生を捧げたい。
結婚に対する想いは人それぞれだと思います。
しかし、結婚するとなると、恋人関係とは違い、相手への愛情だけでは成り立たないというのも事実です。
一緒に生活していくということは、現実的な話が山のようについてくることになり、
・お金のこと
・仕事のこと
・家事のこと
・住まいのこと
・ライススタイルのこと
など、さまざまなことがあげられます。
たとえば、お金のことを例に挙げると
お二人それぞれの収入がどのくらいあって、それだったらどのくらいのレベルの生活ができて、月々入ってくるお金をどうやりくりしていくかが、はっきりと見えないことには、住む家もすんなり決めることができません。
他にも、
・どこに住むのか。
・仕事はどうするのか。
・家事分担はどうするのか。
・将来子どもがほしいのかどうか。
挙げれば、キリがない気もします。
「お互いに愛し合っているから」と、結婚して上手くいくご夫婦もいれば
「こんなはずじゃなかった」
「事前にもっと話し合っていればよかった」など
結婚して、実際に一緒に生活してから、理想と現実のギャップにショックを受ける場合もあると思います。
それこそ、十人十色じゃないですけど、十組十色。
おそらく多くのご夫婦は、結婚前に十分に結婚後の生活について話し合いをしていないのではと思います。
(2)「婚前契約書(結婚契約書)」というカタチあるものへ
そこで、お金のこと、仕事のこと、家事のこと等、結婚後の生活を具体的にイメージしながらさまざまなことを話し合います。
お二人の話し合いの結晶が書面というカタチになったものが「婚前契約書(結婚契約書)」です。
令和2年度の司法統計 によると、「離婚調停」の申し立て理由のランキングは、男女ともに「性格の不一致」が1位になっています。
【参考:家事 令和2年度 19 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所|司法統計】
「婚前契約書」の作成を通じて、お互いの価値観をすり合わせることでお互いへの理解がより深まり、実際に一緒に生活してみてからの理想と現実のギャップを減らすことができます。
「婚前契約書」を作成することで、お二人の結婚生活は、より楽しく、いつまでの長く続いていく可能性がぐっと高まるというわけです。
「結婚」は、婚姻届という紙切れ一枚を役所に提出するだけで、できてしまう簡単な届出です。
「結婚」とは、本来、夫婦としてお互いを愛し、支え合っていくという覚悟と自覚と責任が伴う、ある種の契約であると考えます。
ですから、「婚姻届の提出」ではなし得ないこと、
「婚前契約書」は、お二人が結婚前に、結婚後の不安材料を少しでもなくして、より幸せな結婚生活へ導くパスポートだと思います。