国際結婚で事実婚したい!
公開日 2020年9月29日 最終更新日 2020年9月29日

今回は、「国際結婚の事実婚」についてお伝えします。
近年、日本で暮らす外国人も増えてきており、日本人と国際結婚するケースも増えてきています。
しかし、国際結婚では、その手続きが日本人同士の結婚よりも少々大変なこともあり、「事実婚」を選ぶケースも多くなっているようです。
(1)そもそも国際結婚で事実婚できるの?
これに関しては、もちろん可能です。
日本人同士が結婚するのと同様に、「法律婚」を選ぶか、「事実婚」を選ぶかは自由です。
「国際事実婚」とでも言いましょうか…。
(2)手続き等は必要なの?
日本人同士の事実婚と同様に必須となっている手続き等はありません。
ただし、以下の手続き等を行なっておくと良いでしょう。
①住民票を同一世帯にする
日本人同士の事実婚と同様に、事実婚相手の外国人を同一世帯で登録します。
日本で住民登録を行っている外国人(一定の条件があります)と事実婚をしており、同居している場合には、日本人を世帯主として、事実婚の相手の外国人を世帯主の夫(未届)又は妻(未届)とすれば、事実婚関係であることの証明になります。
②事実婚契約書(公正証書)を作成する
お二人の「私たちは事実婚をする」という意思、生活していく上での取り決めやルール、約束事を契約書にまとめます。それを「公正証書」という公的な文書として作成します。
※「公正証書」については、こちらをご覧ください。
「事実婚契約書」があることで、万が一事実婚関係の解消に至ってしまい、財産分与や慰謝料請求をするような場合、お二人が事実婚関係であったことを証明する必要があります。「事実婚契約書」は、その証明にあたって、有力な存在となり得ます。
それ以上に「事実婚契約書」の作成過程において、お二人の将来のことやお互いの価値観をすり合わせる時間が生まれるため、必然的にパートナーと真剣に向き合うことにもなるので「お二人の仲がより深まる」ことが何よりのメリットだと考えます。
※「事実婚契約書」についてはこちらをご覧ください。
当事務所では、事実婚契約書の作成サポートを専門として取り扱っております。
(3)注意点
注意していただきたいことは、国際結婚で事実婚の場合、お相手の外国人は原則として配偶者ビザを取得することができません。
配偶者ビザを取得するためには、法律上の婚姻関係(婚姻届を提出していること)にあることが大前提となります。
※配偶者ビザとは、日本人と結婚した外国人配偶者を受け入れるための在留資格のことです。配偶者ビザが認められるためには、社会通念上の夫婦としての要件を満たしていると証明が必要です。「偽装結婚」でないことを審査するために、非常に厳格なものとなっています。
(4)まとめ
いかがでしたか?
国際結婚で事実婚を選択された場合、国際結婚に関する煩雑な手続き等をしなくてもよいというメリットはありますが、配偶者ビザを取得できないという大きなデメリットもあります。日本人同士の事実婚と比べると、少しハードルが高いのかもしれません。
また、日本人同士の結婚(法律婚)では不可能な夫婦別姓が国際結婚では可能です。
お二人で将来のことを真剣に話し合い、最良の選択ができましたら最幸だと考えます。