自動車保険の配偶者には「事実婚の配偶者」も含まれるのか?
公開日 2020年6月17日 最終更新日 2020年6月17日

今回は、自動車保険の夫婦限定特約や家族限定特約の配偶者に「事実婚の配偶者が含まれるのか」について解説していきます。
結論から申し上げると、ほとんどの保険会社で、事実婚の配偶者も法律婚の配偶者と同様に取り扱ってくれます。
ただし、保険会社ごとに事実婚関係を証明するために必要な資料等が異なります。
では、早速見ていきましょう。
目次
(1)自動車保険とは?
自動車に関連した損害が起きた場合に、契約している保険会社が保険金等によって、その損害を補償してくれる保険のことです。
そんな自動車保険にも以下のように種類があります。
①自賠責保険(強制保険)
自動車を運転する人すべてが加入を義務付けられている保険です。もしも、自賠責保険に加入していなかったり、その保険証券を運転中に携行していなかったりした場合、罰則が設けられています。なお、自賠責保険は、補償の対象を「対人賠償のみ」としているため、自動車事故により自分がケガをした場合や自動車の修理代などは補償の対象外となっています。この自賠責保険の補償の対象外となっている部分や補償金額の面をカバーするのが、後述する任意保険です。
②任意保険
一般的に自動車保険というと、この任意保険を指すことが多いです。その名の通り加入は任意です。保険会社によって、補償の範囲や料金等が異なりますが、先述のとおり自賠責保険での補償対象外の部分をカバーできるため、ほとんどの人が加入しています。
今回は、この任意保険の「配偶者」について見ていきます。
(2)各保険会社での取り扱いはどうなっている?
各保険会社のホームページで確認できた情報を掲載します。
より詳細な内容については、各保険会社へお問い合わせください。
①ソニー損保
配偶者の定義に以下も含める。
「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情(内縁関係)にある方」
②損保ジャパン
内縁の相手方および同性パートナーは、婚姻の意思(同性パートナーの場合は、パートナー関係を将来にわたり継続する意思)をもち、同居により婚姻関係に準じた生活を営んでいる場合に限り、配偶者に含みます。
③チューリッヒ保険会社
配偶者には、婚姻の届出事実はないが事実上、婚姻関係と同様の事情にある方も含まれます。
確認事項がございますので、詳細はカスタマーケアセンターまでお問合わせください。
④イーデザイン損害保険
「自動車保険 重要事項説明書」の中に、配偶者の定義として「配偶者に内縁も含める」との記載があります。
⑤東京海上日動火災保険
記名被保険者の配偶者の定義に「配偶者は、事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含みます」との記載があります。
(書面等により、一定の要件を満たしていることを確認できる場合に限ります)
⑥SBI損保
「個人総合自動車保険普通保険約款」に以下の記載があります。
この保険にいう配偶者には内縁を含みます。内縁の夫または妻とは、法律上の婚姻届が提出されていない事実上の婚姻関係にある夫または妻をいいます。
⑦セゾン自動車火災保険
よくある質問の解答に、以下の記載があります。
「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の状態である方は、配偶者に含みます。
ただし内縁の方が事故を起こされた場合は、内縁関係の確認として資料の提出や調査にご協力いただくことがあります」
⑧三井ダイレクト損保
よくある質問の解答に、以下の記載があります。
「内縁の妻(夫)も配偶者の定義に含まれます」
※内縁とは、婚姻の届出をしていないが、両者が婚姻の意思をもっており、かつ、当事者間が同居し、社会的には夫婦と認められた実態を有する共同生活を送っていることをいいます。
⑨アクサダイレクト
「ご契約のしおり」に以下の記載があります。
「配偶者とは、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含みます」
(3)まとめ
いかがでしたか?
ほとんどの保険会社で、事実婚の配偶者も法律婚の配偶者と同様に取り扱ってくれます。
・夫婦としての共同生活の実態があること
・お二人の間に婚姻の意思があること
これらを証明することができれば、配偶者として認められることと思います。
この証明については、それほどハードルが高くないようで、『続柄に「妻(未届)」あるいは「夫(未届)」の記載がある住民票』があれば、配偶者として認められるケースが多いようです。
ただし、保険会社ごとに、必要書類等が異なりますので、加入をご検討されている場合は、直接保険会社へお問い合わせください。