事実婚契約書にも種類があります
公開日 2019年9月10日 最終更新日 2022年9月26日

今日のテーマは「事実婚契約書の文書の種類」です。
事実婚契約書と言っても、その作成方法にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なります。
大きく分けると
・ 私人(個人)として作成するか
・「公証人」という法務大臣により任命された法律の専門家に作成していただくか
になります。
では、早速それぞれの方法について見ていきましょう。
※公正証書や公証人については、こちらをご覧ください。
(1)私文書
私人の立場にいる人が作成した証書のことを「私文書」と言います。一般的に作成されている契約書等の多くの書類は、この私文書に該当します。
最も簡単な方法で、費用も掛からずに自宅で作成することが可能です。
ご夫婦、お二人の実印をご用意いただき、署名と押印して完成です。
なお、証拠力を高めるために以下の方法があります。
・ ご夫婦お二人の「印鑑証明書」を添付する。
・ 第三者に立ち会ってもらい、証人として署名押印してもらう。
※証人はご友人や知人等で問題ありません。証人は「この契約を結んだ」という事実を証明します。なお、証人が法律上の義務を負うことはありません。
(2)公正証書
法務大臣により任命された法律の専門家である「公証人」が法律に従って作成する公文書です。
公証役場での厳格な手続きを経て作成されるため、これからご紹介する文書の中で最も証明力や証拠力が高い文書になります。
事実婚契約書の内容が適法なものでなければならないため、あらかじめ公証役場にて公証人との打合せが必要となります。
ただし、極めてプライベートな内容の場合、公証人によっては、作成をお断りされることもあります。
そして、作成した事実婚契約書の1通が公証役場で20年間保管されるため、紛失や改ざんの恐れがありません。
当事務所へ「フルサポートパック」でのご依頼をいただいた場合は、事実婚契約書の文案作成から、公証人との打合せまでこちらで行い、お住まいの最寄りの公証役場で手続きできるよう手配いたします。
※別途、公証役場への手数料が掛かります。
(3)私署証書認証
作成した事実婚契約書(私文書)について、その署名押印がお二人ご本人のものであることを公証役場で「認証」という手続きをします。
認証された結果、事実婚契約書が真正に成立したこと、つまり事実婚契約書がお二人の意思に基づいて作成されたということが推定され、信用性が高まります。
ただし、事実婚契約書の内容が適法なものでなければならないため、あらかじめ公証役場にて公証人との打合せが必要となります。
※別途、公証役場への手数料が掛かります(5,500円~11,000円)
(4)宣誓認証
公証人の面前で、お二人が事実婚契約書(私文書)の内容が真実であることを宣誓の上でその契約書に署名押印することです。
牧師さんや神父さんの前でお二人が誓いを立てるようなイメージですね。
事実婚契約書がお二人の意思に基づいて作成されたということのみならず、制裁の裏付けのある宣誓によって、記載内容が真実、正確であることをお二人が表明した事実をも公証するものです。
また、事実婚契約書の内容が適法なものでなければならないため、私署証書認証と同じく、あらかじめ公証役場にて公証人との打合せが必要となります。
私署証書認証と大きく異なる点は、認証した事実婚契約書の1通が公証役場で20年間保管されるため、紛失や改ざんの恐れがない点です。
※別途、公証役場への手数料が掛かります(11,000円)
(5)まとめ
いかがでしたか?
ひとえに「事実婚契約書」といっても、さまざまな種類の文書で作成することができます。
証明力や証拠力の高い順に整理すると以下のようになります。
公正証書 > 宣誓認証 > 私署証書認証 > 私文書
当事務所では、基本的には「公正証書」での「事実婚契約書」作成サポートを承っております。