「フランス婚」をご存じですか?

今回のテーマは「フランス婚」です。

 

フランス人と結婚すること?

と思われるかもしれませんが、そうではありません。

 

「フランス婚」とは、事実婚の通称のことです。そのくらいフランスでは事実婚を選択する方が多いようです。

ここ日本でも、だいぶ認知されてきている事実婚ですが、相続権や税制面など、法律婚と比べると、どうしてもこと不利な面があります。

日本では、届出による法律婚主義を採用しています。事実婚については、できるだけ法律婚の夫婦と同様の保護を与えようとするのが、判例(実際の具体的な事件における裁判所が示した法律的判断)による考え方です。

 

そこで、今回はフランスのパートナーシップ制度に焦点を当てて、事実婚の法律上の扱い等ついて詳しく見ていきます。

 

(1)3つのカップルのカタチ

フランスには、以下の3つのカップルのカタチがあります。

 

①結婚

法的に婚姻関係にあるカップルのことです。日本の結婚のように婚姻届一枚を提出することで、晴れて夫婦!というわけではありません。さまざまな書類を役所に提出してチェックをしてもらいます。その後、市役所にて市長による結婚式を行います(必須)

 

②パックス(PACS)

法的な婚姻関係ではありませんが、成年のカップル間で安定した持続共同生活を営むために交わされる契約のことです。詳しいことは、後述します。

 

③ユニオン・リーブル

一緒に暮らしているカップルで同棲と同じ位置づけです。婚姻関係もパックスも結ばない、法的な手続きをしない関係性のことです。役所に行って「同居証明書」を発行してもらうこともできます。

 

 

(2)パックス(PACS)って?

ここでは、先述の「パックス(PACS)」について、詳しく見ていきます。

「パックス(PACS)」は、法的な婚姻関係ではありませんが、成年のカップル間で安定した持続共同生活を営むために交わされる契約のことで「民事連帯契約」の略です。もともとは、同性婚が認められていなかった時代に同性カップルのために作られた制度ですが(現在のフランスでは同性婚ができるようになりました)、異性カップルも多く利用しています。

 

同棲以上結婚未満の関係性というイメージですね。

 

届出は、役所ではなく裁判所で行い、居住地の裁判所で契約を登録簿に登録してもらいます。

パックスを結んだカップルは、扶養義務と日常生活における出費についての債務を連帯する義務を負いますが、貞操義務はありません。

 

少し古いデータになりますが、2014年に登録されたパックスは、約173,000件。

それに対して、結婚は約241,000件となっていて、パックスが結婚制度と並んで広く利用されていることがわかりますね。

 

 

(3)なぜ、フランスは事実婚が多いの?

フランスでは、結婚も離婚も手続きがとても大変だそうです。

それに対して、パックスは結ぶのも解消するのも比較的簡単であり、そのためパックスを選択するカップルが多いようです。

 

パックスの解消は、両者の合意による他、一方的に解消することも可能です。その簡易さが、離婚が非常に大変なフランスで、1つのカップルのカタチとして多くの人に受け入れられていると考えます。

ちなみに、離婚の際は、必ず両者に弁護士を立てる必要があったり、必ず裁判官により審理が必要となったりと、費用もかかるし、離婚まで2~3年掛かるなんてことはよくあることのようです。

 

 

(4)子どもは?

2017年において、フランス国内での子どもの出生数は767,000人。その60%の子ども両親が婚姻関係のない状態(パックスまたはユニオン・リーブル)が全体の58%を占めていることがわかりました。

フランスでは、嫡出子・非嫡出子の区別がなく「いかなる生まれでも子どもは同等の権利を有すること」が法制化されています。

 

 

(5)まとめ

いかがでしたか?

 

フランスは、日本とは違って婚姻関係があるかどうかは重要なことではなく、また誰も気にしません。

どんな夫婦関係をとっていても世間の偏見がありません。

自分らしいパートナーシップのカタチを堂々と自由に表現できる国なんですね。

 

近年は、日本でも事実婚の認知が進んできていますが、法整備が行き届いていないのが現状です。

 

私も少しでも多くの方に事実婚のことを知っていただき、事実婚をされている、あるいはご検討されている方のお力になれるよう、発信を続けていきます。

 

 

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