事実婚のパートナーに財産を相続する2つの方法

公開日 2019年8月31日 最終更新日 2019年9月1日

今回は、「事実婚のパートナーに財産を相続する2つの方法」をお伝えします。

 

これは、事実婚の方や事実婚をお考えの方に特に知っていただきたい内容です。

 

事実婚のデメリットの1つにパートナーの相続人になれない(相続権がない)ことが挙げられます。

そうです。いくら長年連れ添った2人であっても、お互いの財産を相続することができないのです…。

これは、事実婚の最大のデメリットと言っても過言ではないかもしれません。

 

現在の法律では、以下のように配偶者は相続人(法定相続人)になると定められています。

 

民法 第890条(配偶者の相続権)

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。

 

この「配偶者」は、あくまでも「法律上の婚姻関係にある配偶者」に限られるとされています。

つまり、婚姻届を提出している夫婦(法律婚) に限られ、事実婚のパートナーは該当しません。

 

では、事実婚では愛するパートナーに財産を残すことができないのでしょうか?

 

 

いやいや。そんなことはありませんよ!

その方法は、2つあります。

1つは、「特別縁故者になる」という方法。

もう1つは、生前に「遺言を残す」という方法です。

 

それでは、早速それぞれについて解説しますね。

 

(1)「特別縁故者」の申立てをする

被相続人(亡くなった人)に法定相続人がいない場合に、特別に財産分与される権利を持つ人のことを「特別縁故者」といいます。

法定相続人や遺言とは別に、一定の要件に該当する場合に、その人に被相続人の財産の相続権を認めるという制度です。

 

もちろん、誰でも特別縁故者になれるわけではなく、特別縁故者の要件を満たしている本人が家庭裁判所に「特別縁故者に対する財産分与の申立て」の手続きを行う必要があります。

 

詳しくは、こちらをご覧ください。

特別縁故者 ~事実婚でもパートナーの相続人になれる方法~

 

 

(2)「遺言書」を書く

「特別縁故者」よりは、「遺言書」を書くことが一般的で確実です。

 

もし、遺言書がなければ、法定相続人(配偶者・子ども・両親・兄弟姉妹)に対して相続が行われるため、パートナーに財産を残すことができなくなってしまいます。

 

では、どのような内容の遺言を書けばいいのでしょうか?

注意点も踏まえて見ていきましょう。

 

①パートナーに「遺贈する」旨を記載する

「遺贈」とは、遺言により、主に法定相続人以外の第三者に対して、自分の財産を無償で譲ることです。

遺言書に「○○へ遺贈する」と記載することで、受遺者(財産をもらう人)へ財産を譲ることができます。

 

事実婚のパートナーは、法定相続人ではありませんので、このように遺言書に「遺贈する」という記載をすることで、財産を残すことができます。

 

②「遺留分」に配慮する

被相続人の配偶者・子ども・両親には、「遺留分(いりゅうぶん)」が認められています。

「遺留分」とは、その人たちに法律上で保証された相続財産の一定の割合のことです(兄弟姉妹には認められていません)。

 

たとえば、「パートナーに全財産を遺贈する」旨の遺言があれば、基本的には被相続人の意思が尊重され、遺言のとおりに相続手続きが進められます。しかし、このような内容の遺言に、法定相続人たちが納得できないことも十分考えられ、争いに発展してしまう可能性もあります。

そのため、法定相続人に、最低限確保できる財産を法律で保証しているというわけです。

ただし、遺留分は当然にもらえるものではなく、「相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内、または相続開始の時より10年以内」遺留分減殺請求という手続きをしなければなりません。

 

このようなトラブルを避けるためにも、他の相続人に対して遺留分相当の財産を相続させるような内容の遺言書を作成するのが安心です。

 

③「遺言執行者」を指定する

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため、相続人全員の代理人なって必要な手続きを行う権利や義務を有する人のことです。

遺言執行者は、遺言で指定するか、亡くなったあとに家庭裁判所に選任してもらうかのいずれかになります。

遺言執行者を指定しない場合、銀行講座の解約等の相続手続きをする際に、相続人全員の署名・実印の押印等、とても手間のかかる手続きとになってしまいます。

 

弁護士や司法書士、行政書士等の遺言や相続手続きに詳しい専門家を指名するのが安心確実です。

 

④「付言事項」にも配慮する

 

 

 

⑤2人の間に子どもがいる場合

もし、2人の間に子どもがいる場合、夫が子どもを認知していれば、子どもは夫の相続人となります。

また、妻は、出産したという事実により親子関係が成立しているので、子どもは妻の相続人となります。

 

したがって、遺言書がなくても、子どもには財産を残すことができます。

事実婚のパートナーと子どもに財産を残したい場合は、パートナ-には「遺贈する」、子どもには「相続させる」との遺言をします。

 

 

 

(3)まとめ

いかがでしたか?

事実婚のパートナーに財産を残すには、この2つの方法があります。

特別縁故者は、相続人がいない場合に限られてしまうので、パートナーに確実に財産を残したい場合は、遺言書を残すことがオススメです。

 

「まだ若いし、元気だし大丈夫!」と思うかもしれませんが、いつ何がおきるかわかりません。

 

大切なパートナーのことを想うのであれば、早めにお二人がそれぞれ遺言書を作成しましょう。

 

 

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