事実婚でも健康保険の被扶養者になる方法

公開日 2019年2月26日 最終更新日 2021年5月3日

今回は、事実婚でも社会保険(健康保険)の被扶養者になれる方法についてお伝えします。

 

現状の日本の法制度では、事実婚が法律婚(婚姻届を提出している)とまったく同じ扱いを受けることはありません。

しかし、法律婚に準じた扱いを受けられることも、実は多くあります。

 

その中のひとつが、社会保険制度(健康保険)です。

 

健康保険制度などについて定めた「健康保険法」には、以下のような条文があります。

 

健康保険法 第3条7項1号

七 この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者をいう。

一 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの

 

このように法律に事実婚にも適用されることが明記されているので、

事実婚の妻(夫)も法律婚のように、社会保険上(健康保険)の被扶養者となることが可能です。

 

 

(1)健康保険の被扶養者となるメリット

① 健康保険証が発行される

② 健康保険の給付

③ 健康保険料が掛からない

 

以上のように、法律婚と同じ条件で扶養が認められ、それによりお二人が事実婚関係であることを証明することにもなります。

 

 

(2)被扶養者の範囲

被扶養者の範囲は法律で決められていて、被保険者と同居でなくてもOKな人と、同居が条件の人がいます。

同居でなくてもよい人

① 配偶者(内縁を含む)

② 子(養子を含む)・孫・兄弟姉妹

③ 父母(養父母を含む)等の直系尊属

 

同居が条件の人

① 上記以外の三親等内の親族(義父母等)

② 内縁の配偶者の父母、連れ子

③ 内縁の配偶者死亡後のその父母、連れ子

 

(3)被扶養者の認定要件

収入要件

年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ

・同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(*)

・別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことです(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること)

※収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。

 

同一世帯要件

配偶者、直系尊属、子、孫、兄弟姉妹以外の3親等内の親族は同一世帯でなければなりません。

 

 

 

(4)手続きに必要な書類

以下の書類が必要となります。

 

事実婚関係(内縁)を証明する書類

① 事実婚関係にある両人の戸籍謄(抄)本(未婚か確認のため)

② 被保険者の世帯全員の住民票(コピー不可・マイナンバーの記載がないもの)」
(続柄欄に妻あるいは夫(未届)の記載のあるもの)

③ 自宅の賃貸契約書や売買契約書、もしくは申込書などの書類の同居人の続柄欄に内縁の妻(夫)などと記入されたもの

④ 結婚式の連名の案内状

⑤ 事実婚契約書(公正証書)

 

など

 

※詳細は、勤務先や年金事務所の指示に従ってください。

 

収入要件を満たしているか確認するための書類

① 所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっている者・事業主の証明があれば添付書類は不要です。

※被扶養者になった日が、事務センター(年金事務所)の受付日より60日以上遡及する場合は、扶養の事実を確認できる書類の添付が必要となります。

② ①以外の者

ⅰ 退職したことにより収入要件を満たす場合
▶ 「退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し」

ⅱ 雇用保険失業給付受給中の場合または雇用保険失業給付の受給終了により収入要件を満たす場合
▶ 「雇用保険受給資格者証の写し」

ⅲ 年金受給中の場合
▶ 現在の年金受取額がわかる「年金額の改定通知書などの写し」

ⅳ 自営(農業等を含む)による収入、不動産収入等がある場合
▶ 直近の「確定申告書の写し」

ⅴ 上記ⅱ~ⅳ以外に他の収入がある場合
▶ 上記「ⅱ〜ⅳに応じた書類」および「課税(非課税)証明書」

ⅵ 上記ⅰ〜ⅴ以外の場合
▶ 「課税(非課税)証明書」

 

③ ①および②の方に共通する事項
▶ 障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の非課税対象となる収入がある場合は、別途「受取金額がわかる通
知書等のコピー」が必要となります。

(5)まとめ

いかがでしたか?

事実婚でも一定の要件のもと、法律婚夫婦と同様に健康保険の被扶養者になることが可能です。ただし、お二人が事実婚関係であることを証明する必要がありますので、法律婚夫婦と比べてひと手間掛かりますが、被扶養者になるメリットは大きいです!

事実婚の方、あるいは事実婚をご検討の方はで、パートナーの方を健康保険の被扶養者にしたいとお考えの方は、この記事をご参考になさっていただけたら幸いです。

 

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