「遺留分」とは
公開日 2019年2月16日 最終更新日 2019年3月29日

「遺留分」とは、相続人に法律上で保証された相続財産の一定の割合のことです。
相続が発生すると「法定相続分」または「遺言」により財産が分配されます。
しかし、その遺言の内容が偏っているような場合、相続人に法律上で、最低限確保できる財産を保証しています。
本来であれば、生前に自分の財産をどのようにするか決めるのは本人の自由のはずです。
基本的には、被相続人(亡くなった方)の意思を尊重する遺言書の内容は優先されます。
たとえば
「愛人に全財産を遺贈する」
というような遺言の場合、残された家族のその後の生活に大きな影響が出てしまいます。
このようにならないように、相続発生後の生活の保障のため
被相続人と一定の関係にある相続人に対して「遺留分」という制度があります。
(1)対象となる法定相続人
・ 配偶者
・ 子
・ 直系尊属(父母)
※兄弟姉妹には認められません。
(2)遺留分の割合
民法1028条では、以下のように定められています。
1、直系尊属のみが相続人である場合、被相続人の財産の三分の一
2、前号に掲げる場合以外の場合、被相続人の財産の二分の一
以下が遺留分の割合の詳細です。
(3)なぜ、兄弟姉妹には遺留分が認められないのか
相続は、基本的に被相続人に親しい人から順に相続していくというシステムになっています。
被相続人と親しい関係であり、生計をともにしている配偶者や子とは異なり、
被相続人と同世代にあたる兄弟姉妹は、独自に生計を立てているのが通常です。
その生計を被相続人に依存していることはないということから、
配偶者や子と比べて、相続発生後の生活の保証を考える必要もないということから、
兄弟姉妹に対しては遺留分が認められないと考えられます。
なお、遺留分は、当然にもらえるものではなく、
「相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内、または、相続開始の時より10年以内」に遺留分減殺請求という手続きをしなければなりません。